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冷菓における多糖類

冷菓の原材料を見ると、製品によって「安定剤」の記載があることにお気づきの方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はこの「安定剤」の原料の一つが「多糖類」なのです。製品コンセプトによっては使用しない場合もありますが、スーパーやコンビニで販売されている冷菓の多くには多糖類が安定剤として利用されていて、製品に様々な恩恵をもたらしています。安定剤の添加量は一般的に0.2〜0.5%程度と言われており、非常に少なく感じるかもしれません。しかし、ミックス液への粘度付与・懸濁安定性向上・オーバーラン性向上・氷結晶の安定化・食感改良・保型性向上など幅広い効果を冷菓に与えています。冷菓用安定剤に使用される代表的な多糖類としては、グァーガム、ローカストビーンガムなどが挙げられますが、グリロイド(タマリンドシードガム、タマリンドガム)はこれらとは異なる特性を持っています。

 

さっぱりした自然な口どけ

安定剤としてグリロイドを利用すると、糸曳きがない自然な口どけの冷菓に仕上げることができます。口に含んだ冷菓が溶けた時の粘り気は、それぞれの多糖類に固有のものです。グリロイドを冷菓に用いた時の食感はグァーガムやローカストビーンガムよりも糸を曳きにくく、さっぱりとした口どけになります。氷の結晶もきめ細かになるため、冷菓を口に含んだ時の氷によるザラつきなどで食感が損なわれることもありません。グリロイドはさっぱりした冷菓、例えば脂肪分の低いジェラートタイプのアイスや、爽やかさを求めるアイスキャンディーなどに向いています。

溶けにくいアイス

グリロイドを活用することで「優れた保型性」のアイスにすることができます。ローカストビーンガムは冷菓安定剤の中でも凍結解凍時の保型性に優れていると言われていますが、グリロイドをローカストビーンガムと併用することにより、さらに保型性を高めることができます。この2種類の多糖類を組み合わせて安定剤とすることで、非常に溶けにくいアイスになります。この特性は冷菓の造形性の向上や、ゆっくり喫食しても滴り落ちないため食べやすさの改善に効果的です。

 

扱いやすい粘度のアイスミックス液

グリロイドを使用すると「適度なミックス液粘度」になる点も特徴です。グリロイドは多糖類としては粘度が高い方ではなく、他の多糖類やタンパク質、イオンとの相溶性に優れているため予期せぬ増粘・ゲル化が起こりません。ミックス液を製造上望ましい粘度で調製しやすく、製造工程中のハンドリングに優れています。

このように冷菓においてグリロイドにしかできない効果があります。ぜひ一度お試しください。

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